2009年3月26日木曜日

ミズノ新開発SST競泳水着を発表!信頼とシェア拡大に期待

ミズノが今季の新型競泳用水着「SST-100シリーズ(エスエスティー ヒャクシリーズ)」を26日に発表。

2008年の北京五輪で多くの日本代表選手が着用した英スピード社製の水着「レーザー・レーサー(LR)」のコンセプトを大幅に取り入れ、締め付け効果や動きやすさを追求した独自の開発モデルによりLRに対抗している。

このSST競泳水着は、LRと同じように体の凹凸を少なくするため、水着表面にポリウレタンのパネルを張り付け、締付けをきつくする手法を採用した上で、パネルを張る位置や形状などに独自の工夫が加わっている。
このパネルは下半身が水中に沈み込まないよう腰から太もも裏までをパネル(ボディーハンモック構造)で支えているのが特色。また、パネルには、動きやすさと着脱の手間を緩和する目的でスリット(切れ込み)が入っている。
気になる水着の生地は従来の「ニット」ではなく、水をはじく加工をした軽量な布帛(ふはく)素材を採用。


【開発のコンセプト】
開発コンセプトの詳細は、以下の4点。(参照・引用:新型競泳用水着「SST-100シリーズ」完成

(1)水中に下半身が沈みこまない高いボディポジションの維持
(2)体形補正による形状抵抗の削減
(3)軽量化
(4)動きやすさと着脱のしやすさ















(1)水中に下半身が沈みこまない高いボディポジションの維持
下半身が水中に沈むと水の抵抗を受けやすく、タイムロスの原因となります。「SST」は、パネルを貼り付けて腰から下半身を支える『ボディハンモック構造』を採用することで、水の抵抗が少ない高いボディポジションを維持。さらには、腹部、腰のパネルで体幹を意識させ、骨盤を安定させることで、水中姿勢をよりフラットに保ちます。膝に貼り付けたパネルは、膝下の安定をサポート。

(2)体形補正による形状抵抗の削減
ポリウレタンのパネルを貼り付け締め付けることで身体の凹凸を平滑化し、筋肉の振動を防いで、形状抵抗を軽減。

(3)軽量化
ベースとなる水着の素材には、軽量でストレッチ性に優れたイタリア製の布帛(ふはく)を直輸入しています。これを採用したことで、価格が上がることになりますが、従来品に比べ約50%軽量化。また、全面を撥水加工しており、水中での軽量性も向上。

(4)動きやすさと着脱のしやすさ
スリットによってパネルのテンションをコントロール。締め付け感による動きにくさを緩和し、フィット感を向上させています。着脱もしやすくなっています。










【レーザーレーサーと違う特徴的な点】
★胴からひざにかけてポリウレタン製のパネルを何枚も張り付けている点。
(目的:体の凹凸を押さえ込み(締付け)、よりフラットなラインにする)

★パネルに複数のスリット(切れ込み)が入っている点。
(目的:水の抵抗を減らす動きやすさと着脱の手間を緩和する)

★膝下のV型に貼られたパネル。
(目的:膝の安定)

★縫い目はレーザーレーサーが無縫製に対し、SSTは縫製品。しかし、抵抗は極力少なく剥がれる心配がない点。

★ファスナー型の水着はロック式で、少し長めである点。
(目的:脱着しやすいなど)

★足首部分の締付けがソフトな点。
(理由:ラバーを圧着しカットしているため)


【サイズにも特徴】
サイズも特徴的で、通常サイズは「SS、S、M、L、O」の種類がありますが、この競泳水着は、より体型が合いやすいようロングスーツのみ「SS、S、SM、M、ML、L、LO、O」と細かく分類。


【レーザーレーサーと価格比較】
値段は以下の通り。ファスナー付のロングスーツでは、レーザーレーサーより「約1万円」ほど安いことが分かる。

【レディース】
SST-100シリーズ
(ミズノ社)
レーザーレーサー
(スピード社)
ロングスーツ
(ファスナー)

【サイズ】
59,850円
【SS、S、SM、M、
ML、L、LO、O】
69,300円
【S,M,L,O】
ロングスーツ
(背開き)

【サイズ】
53,550円
【SS、S、SM、M、
ML、L、LO、O】
58,800円
【S,M,L,O】

【メンズ】
SST-100シリーズ
(ミズノ社)
レーザーレーサー
(スピード社)
ロングスーツ
【サイズ】
59,850円
【SS、S、SM、M、
ML、L、LO、O】
69,300円
【S,M,L,O】
ロングスパッツ
【サイズ】
39,900円
【SS,S,M,L,O】
48,300円
【S,M,L,O】
ハーフスパッツ
【サイズ】
26,250円
【SS,S,M,L,O】
29,400円
【S,M,L,O】


【この開発水着に至った背景】
2008年1月に英国のスピード社が開発した「レーザー・レーサー(LR)」が発表されたが、それを着用した選手による世界記録ラッシュが世間の話題を呼ぶことになった。その年の8月9日には北京オリンピックが行われるため、日本選手も着用しなければ不利になってしまうといわれるほど日に日にレーザーレーサーの評価は高くなっていった。

しかし日本水泳連盟はスピード社と契約していなかったことが国内での水着問題へと発展していくことになる。
契約しているミズノ、デサント(アリーナ)、アシックスにレーザーレーサーと同等の機能になるよう改良をギリギリまで要請するに至ったが、時間が短く、間に合うことができずに、日水連は特例として違約金を払ってでもいいから着用の自由化を決断。特にメダルを期待されていた選手はレーザーレーサーを着用して世界と戦うことになった。
その結果、北京オリンピックでは、2つの金メダルを獲得した北島選手をはじめ、先進国を中心にほとんどのトップクラスの選手が男女を問わずこの水着を着用したことで、次々と世界記録・オリンピック記録が更新。

違約金に関しては、契約している各社が大人の対応を見せたことで落ち着くこととなったが、特にミズノとしては、07年5月までミズノ製のスピードというブランド名で開発してきただけに(07年6月よりミズノとスピードが分離)、北京五輪でのスピード社による独占はかなりの屈辱を味わされる結果となった。

しかし、北京五輪前にニュースとなった金のパネル(水着テストも最終段階 金藤はデサント、星はミズノ参照)など、新開発は少しずつ進んできた。
そしてオリンピックから半年ほど過ぎた09年3月26日、ミズノは国内で最大手のスポーツ用品メーカーとしてのプライドをかけて、新型水着はスピード社に対抗できる商品を開発したことを発表することになる。


【最後に】
SST競泳水着は、現時点で国際水泳連盟の審査を受けるのはこれからということだが、2月20日に水着のルールである高速水着の新基準案が、3月に決定し、その中の「透水性のない素材は全体の50%以下」などの新基準をクリアしているという。

すでに寺川綾選手やらミズノ所属の選手が着用し、09年2月の短水路日本選手権で三つの日本記録が生まれているため注目\_(・∀・o)されている。

販売については、4月15日から一部店舗で先行販売し、6月1日から全国のミズノスイム品取扱店で発売。
年間5000着の販売を目標とし、主にトップクラスの選手を対象に販売する。

これから本格的な水泳シーズンが開幕されるため、 スピード社に移った選手からの信頼とシェアを取り戻せるかが注目されている。